ブランディング 真っ白の よりそい
ブランディングは原点から始まる。 ブランドらしさを育てるために

はじまりの想いを忘れないために
ブランドを育てていくうえで、私がいちばん大事だと思っているのは、そのブランドが生まれたときの小さな火種を見つめなおすことです。
事業を始めるとき、人は誰しも「これをやりたい」という真っ直ぐな動機を持っています。
大それた夢じゃなくてもいいんです。
たとえば「自分が欲しいものをつくりたい」「こういう場があればきっと誰かの支えになる」そんな素朴な動機。
でも、時間が経つと少しずつ周りの声や数字が気になってきます。
売上のグラフやお客様の声に目を向けることはもちろん大事です。
ただ、それだけに振り回されてしまうと、気がついたら最初に自分が感じていたワクワクやひそかな誇りを、どこかに置き忘れてしまうことがあるんですよね。
「尖り」が失われるとき
よくあるのが、お客様の声を聞きすぎて、いつの間にか当初のコンセプトがぼんやりしてしまうケースです。
せっかく個性的で尖っていた企画も、少しずつ角を落とされ、丸くなりすぎてしまう。
誰からも嫌われることはないけれど、強く愛されることもなくなる。
そんな“どこにでもあるもの”になってしまうのは、少し寂しいですよね。
もちろん、お客様に寄り添うのはとても大切なことです。
でも、何でもかんでも取り入れてしまうのは違う気がします。
はじめに自分が何を大切にしたかったのか、その軸だけは揺らがないようにしたい。
ブランドの「らしさ」を守る
私がブランディングをお手伝いするときにいつも心がけているのは、ブランドが生まれたときの温度や匂いみたいなものを掬いあげることです。
- どうしてこれをつくりたいと思ったんですか?
- 誰に一番手に取ってほしいですか?
- その人に、どんな気持ちになってほしいですか?
こんな問いを重ねていくうちに、ふっと原点に帰る瞬間があります。
あのとき、自分たちが大切にしたかった景色。
それをちゃんとデザインや言葉に映してあげたいんです。
斬新さや流行を追うのも大事ですが、それだけじゃ長続きしません。
どんなに派手な装いでも、根っこが弱いと簡単に崩れてしまう。
だからまず、根っこをしっかり育てる。
それがブランディングのいちばんの仕事だと思っています。
迷ったときの問いかけ
例えば、新商品をつくる場面でも、データやトレンドばかり見ていると、どんどん判断がぶれてしまうことがあります。
そんなときは「最初に自分たちは何を目指していたっけ?」と問い返してみてください。
当時の自分たちがこの商品を見たら、どう思うかな。
誇らしく「これ、うちらしいな」って言えるだろうか。
そんな小さな確認を繰り返していくと、自然とブランドに芯が通ってきます。
その芯に共鳴してくれたお客様が、やがて常連さんになり、一緒に年月を重ねてくれる。
私はそうやって育つブランドが好きです。
あなたのはじまりを聞かせてください
だから、よければ聞かせてください。
あなたが一番はじめに思い描いたこと。
「こんなの欲しいな」「こういう場があったらいいな」そんな小さな芽で十分です。
忘れていたような昔の気持ちを話してもらえたら、それをそっとすくって形にします。
一緒にブランドの原点を確かめながら、これからの色やかたちをつくっていけたら嬉しいです。
それが、私がこの仕事をしているいちばんの理由なのかもしれません。
はじめの 一歩は お気軽に
ふわっとしたイメージでも、迷っている気持ちでも、そのままお伝えください。
最初の一歩を、一緒に見つけていけたらうれしいです。